2016年3月2日水曜日

生業としての仕立て業。 今では世界中の色んな人の御仕事を並列的に拝見できる。 コテが効いた仕事とはよく言ったもので僕なりに洋服におけるラグジュアリーとは?の問いへの結論はアイロン仕事である。 しかしここでいうアイロンとは仕上げのそれではなく造形上の形作る仕事。 狂いのないステッチのような事をうたうメゾンの服に限ってアイロンによる胸のボリュームが欠如してたりもする。木を見て森を見ないように。 またボリュームのレベルも3段階ほどあり、なかでも感心するのはビートルズやストーンズで有名な故トミーナッター(70年代のキテレツな時期のデヴィッドボウイ!)の技術的黒子であった@edwardsexton氏の仕事である。(写真) 亡くなったバリーケイメンが僕が毎日顧客の芯地ばかり作る姿を見てブライアンフェリーの衣装を作ってたアンソニー=プライスは華麗なスタイルと裏腹に地味な芯作りを全部自分でやってたと励ましてくれた。英国のロック史を支えた地味な針仕事。 昔ガリアーノのアトリエにwのスーツ着た人がアタッシュケース片手にあらわれ、ウォール街から来た投資家かと思ったらケースから取り出した白衣を羽織るやアイロンをかけだした。クチュールのアイロン技術者だったのだ。 その方の職能とプライドの所存を本当に理解しだしたのは最近かもしれない。


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